サーブから組み立てる試合の戦略 | バレーボールが上達する方法
サーブから組み立てる戦術は試合の勝敗を決める重要な要素です。
そのためにどのような練習メニューを行えばよいのでしょうか。
これまでのバレーボールの試合を調べて有用であった戦術、サーブレシーブから始まるファーストサイドアウトについて紹介しています。
1. 試合を決める2つの力
Wasslmyはバレーボールの攻撃と勝率を研究した結果、2つの戦術に関する能力が重要と報告しています。
その1つはファーストサイドアウトと呼ばれる「サーブレシーブ、攻撃の組み立て、カバー」からなる、サーブレシーブからの攻撃です。
もう1つはファーストトランジッションと呼ぶ「相手の攻撃をブロック、レシーブ、カウンターアタック、カバー」の能力です。
ファーストサイドアウトとファーストトランジッションはそれぞれ試合の勝敗と有意に相関しています。
ただしこのファーストサイドアウトとファーストトランジッションの能力は関連がないとされており、ファーストサイドアウトの能力が高いからといってファーストトランジッションの能力が高い、もしくはその逆、とは言えません。
ファーストサイドアウトでは、それぞれの要素であるサーブレシーブ、トス、スパイクの能力が重要と考えられています。
具体的にはサーブレシーブの能力と、セッターを含めたコンビネーションがこのファーストサイドアウトの能力をあげる練習となります。
文献ではバレーボールの大学女子チームにおけるサーブレシーブからの攻撃決定数をサーブレシーブ数で割ったファーストサイドアウトの決定率の平均は36.7%と報告されており、これを上回ったチームが勝ちやすいチームになっていました。
2.それぞれの要素の練習
ファーストサイドアウトの要素は3つです。
それぞれの練習方法をあげます。
1.サーブレシーブ
サーブレシーブの基本はボールの落下点を予想して動くことです。
そのため、相手がサーブを打ったら、ボールから目を離さずに移動します。
サーブは出来る限り正面で受け、身体はセッターの方に向けます。
セッターに返すボールはできるだけサーブの勢いを殺してふんわりと届けるのが理想です。
逆に弱いサーブの場合は、レシーブするときに足腰を曲げて伸ばす動作をしっかり行い、セッターにボールを届けます。
2.トス
トスの大原則はアタッカーが最高のパフォーマンスを出せるように上げることです。
そのためにセッターはそれぞれのアタッカーの特徴を把握しておく必要があります。
トスの基本はオーバーハンドパスです。
レシーバーが上げたボールの落下地点に素早く移動し、肘と膝を使ってトスを上げます。
オープンの場合はアンテナまでしっかりと幅広く上げることが重要です。
クイックの場合はどのクイックでも直線で目標位置にボールを運ぶイメージでトスします。
トスはレシーブとアタックをつなぐ重要な役割です。
良いセッターがいれば、格段にファーストサイドアウトの決定率が上がります。
3.スパイク
アタッカーは味方がサーブレシーブしたら、十分な助走ができる位置につきます。
そして、きちんとセッターにボールがかえったことを確認して、助走し、アタックします。
基本のオープンアタックができるようになったら、セッターと打ち合わせをして、クイックにも挑戦しましょう。
3.普段の練習では
戦術の基本であるファーストサイドアウトをどのように練習したらよいのでしょうか。
チーム全体で練習する場合は、セッターを固定してコート後方にレシーブする人、コート左右にアタックを打つ人が立ちます。
そして、相手コートからボールを投げいれてもらい、レシーブしてセッターがトスを上げ、アタッカーがアタックを打って1回とします。
アタックを打った人間はレシーバーの列に並び、レシーブした人間はアタッカーの列に並んで繰り返し行います。